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甲子園口駅の西側(神戸寄り)

地域の住民たちが親しみを込めて "まんぼう" と呼ぶ、小さな鉄道下通路が存在します。


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入口にアプローチする部分がグレーチングになっていることから、ここが元々用水路であることがわかる。


明治7年(1874)に開業した省線(現JR)の東海道本線は、田園地帯を突っ切る形で土を盛って線路を敷設することになったので、両側に広がる田畑に水をもたらすために 所々に用水路が作られた。

時代が進み 田畑が宅地化されると、農業用水確保より 線路南北の行き来が重要視されるようになる。水路は暗渠化され 路盤が掘り下げられる等、全国各地で用水路が人間が歩いて通ることができるように改造された例は多い。


この小さなレンガアーチのトンネルは その一つ。写真で見ると 「そうでもないんじゃない?」 と思えるが、坑門に立ってみると…

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26インチのママチャリがこの通り。
調べるとトンネル内部の地上高で 最も低いところが130cm。お友達のアリエッティちゃんでも しゃがんで歩かないと通れない低さ!


頭を打たないように上体を低く低く心がけて、自転車を押して反対側に出ました。


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南側に出たところ。振り返るともう次の通行者が対向者が来ないか 顔を覗かせている。

中でガッチンコしてしまうと離合できないため、ここでは対向者が来ていないか進入前に確認することが暗黙のルール。隧道内で対向者が見えても、速やかに反対側の出口に進む。


出たところで 頭を下げたまま

*「お先でーす」
「いいえー」


自然とコミュニケーションが生まれる。そんな都会のほのぼの通路が こちらの "まんぼう" なのです。


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自転車を一旦置いて、歩いてトンネル内部を撮影することにします。


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甲子園口東側の三連アーチトンネルと同じく、途中までがコンクリート。その先からレンガアーチ。後年の複々線化工事の際に延長された部分ですね。

こうして写真を撮らせてもらっているのですが、後ろに前に 次々人影が…。シャッターチャンスは ほんの一瞬。



それにしても 本当によく人が通ります。頭をケガをするかもしれない 通りにくいトンネルなのに。地域には欠かせない存在であることがわかります。


市民の皆さま、お急ぎのところ立ち止って申し訳ありません。


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では、どうして "まんぼう" と呼ぶのか?


地域によって呼び方が様々な "まんぼう"
先述の ねじりまんぽ の "まんぽ" も地域によって呼び方が変化したもの。

どうやら語源は 「間府」 らしい。 "まぶ" とは、鉱山などで人工的に掘られた穴を意味する。


"まんぼう" は 当地に暮らした文人・谷崎潤一郎の小説 「細雪」 の一節にも登場。

「奥畑は、その山側の停留場のうしろの方のマンボウから出て来て、国道を北から南へ横切って……」

と紹介されている。
※ その "まんぼう" は、もう少し神戸よりの、西宮市平松町のまんぼうとされる



生活と結びついた小さなトンネルを、この地域の人々は 愛着を込めて "まんぼう" と呼んだ。のではないだろうか。
都会の笑顔が生まれるスポットは、名前の由来も微笑ましいようです。




甲子園口のまんぼう
コインパーキング左上の、線路下に描かれている通路部分



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コメント

  1. 10543 | -

    はじめまして。
    お遍路ブログ「ひょいと遍路へ 晴れきってゐる」管理人です。足あと検索から参りました。ブログを拝見してお遍路関係者だったことが親近感を持ちコメントさせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。

    ( 15:49 )

  2. ゲストハウスそらうみです

    初めまして、こんにちは。別の仕事で四国八十八ヶ所の先達を務めております。何かありましたら いつでもお知らせください。どうぞよろしくお願い致します。

    ( 12:32 [Edit] )

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